今の世の中「お客様は神様」「社会の奉仕者」などコマーシャル的言葉が氾濫している。
また、自社の「倫理観」を喧伝する言葉もよく耳にする。
が、その職業に求められる「倫理観」を今日本当の意味で問われているのが設計事務所だと思われる。
設計事務所の倫理観・設計判断の基本は、一般に言われる「顧客満足度を最大にする解決案を提示する」ことにあると考える。
言うは易く、行うは難し。これを実行するのには、社会の全てのことに通じ、法的規制を熟知し、時代の流れにも精通していることが求められる。
設計者の生きがいは、実現可能な創造的アイデアを提供し、建築主という顧客の資金と建設業界の工業力を最大限活用し、そのアイデアを現実のものとすることにある。そのための「鍵」は「顧客の真実」をいかに捕らえられるかにある。建築主は、自分の要求を設計者に提供するが、建築の専門ではないため、その提供される方法には不備と曖昧な部分が残されがちである。この顧客の誤解・間違えた表現を正し、「君の言う通りだ」「考えていたのはこのことだ」と納得させることができるかどうか。その成否は、圧倒的な情報に裏打ちされた見識は勿論、「この男なら間違いない」という信頼を得ることこそ必要。
いまの世の中、契約書による取引も大事だが、当事者間の強い信頼関係は、建築の委託にこそ高いレベルで必要。表面的には「高い」「安い」、入札では「勝った」「負けた」とやってはいるが、実態は極めて人間的関係にある。
設計事務所は顧客満足度を第一に考える「第三者」つまり顧客の代理人である。顧客に最大の利益をもたらし、副産物として自らの生甲斐となるレベルの高い設計を、顧客の財力と業界の力で実現する役目を担っている。
Posted by 飯塚 静栄
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Posted by 木村 壽夫
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